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 静かに目を閉じて、風に耳を傾け、大地に体を預ける。
 五感に感じるものは塩っぽい風、波の音、潮の香りそして重力。目を閉じれば外見なんて関係ない。
────大切なものは中身。

 どんなに高価な皿に盛られて見た目はすばらしい料理でも、イミテーションじゃ意味が、ない。
 右眉から頬にかけて残る傷に触れながら波の音に揺られていた。


 しばらくして、軽く目を開けた。見上げた先にはカイトから譲り受けたザクがいる。時間を確認して、もう一度地球の重力に身を任せた。
 今、俺は単身で地球にいる。この新しい相方を乗りこなすために。

────『お前、もっと強くなりたくないか?』


■□■□■□■□


 先日の事だ。カイトがスネイルに尋ねて来た事があった。ザクの仕様やその他マニュアルを伝えに。
 そしてその帰り際に渡された一枚の紙。
 そこには一文と一緒に日時と場所が書いてあった。劾に相談したらまた機嫌が悪くなるのは目に見えていたから、ロレッタにだけ言ってこっそり出てきた。


■□■□■□■□


 カイトの指定場所は、某国の離れ小島。昔は軍事施設があったのだろう。所々で機体や建物の残骸を目にした。今では軍は撤退し、無人島となっているけど。。。
 俺がカイトを待っていた場所は波の穏やかな海岸線。

生命の源────海

 培養液で合成された俺たちの本能でもそれは残っているらしく、その音色と香りはどこか懐かしく、心地よい。
「こんな所にいたのか」
「ん?」
 眼を開けるとカイトがいた。目で「隣イイカ?」と訊かれたから「ドウゾ」と返す。
「よいしょ」
「おやじくせ」
「オヤジはよしてくれ。こう見えてもまだ22だぜ?」
 はは、と笑いながらカイトも俺の脇に寝転んだ。
 重力でカイトの体が砂に埋まる。
「宇宙空間での生活が長いと忘れがちだが、重力はとは心地よいものだよな」
「ああ」
 俺もそのことは同感だった。体が地面に引き付けられる感じが心地よい。

重力。
引力と遠心力の合力。

────モノとモノとが引き合うちから…

 ふと、隣で寝転ぶカイトを見て思う。

────モノとモノが引き合う以上に人と人も引き合う

 カイトも劾と同じ『本物』だ。ちょっと前までの俺なら決して逢えなかった人種。
 逢えたとしても機体を譲ってもらったり、相手になんてしてもらえなかっただろう。

────出逢いは宝。

 そんな言葉が脳裏を過ぎる。
 あの時、俺は劾に『本物』に出逢えた。駄目人生と思っていた俺だけど、よくよく考えれば最高に恵まれている。
 過去はどうあれ、あの出逢いで『今』の俺がいる。
 あの出逢いから俺は確実に変わった。今までの見かけだけの『傭兵・イライジャ・キール』が音を立てて崩壊していくのがわかった。

──自分の壁を壊してくれた出逢い。

───そして本物と出逢ってからの出逢い。

 一流の傭兵部隊、サーペントテールの仲間に会った。リード・ロレッタ、そして風花。
 一流の傭兵の依頼もいやっぱり一流。ZAFT・オーブ・連合、その他にも前までの俺だったら一生逢うことのないような連中ばかり。

 妙で、無茶苦茶だけど、頼りになるジャンク屋にも会えた。



そして

ヴェイアにも会えた・・。




引いては寄せてくる波。干潮と満潮。全ては月などの惑星からの引力と地球の自転や風など要因は様々。

────そして引力はその質量の応じてかかる力が変わってくる。

 出会いとは、その人間のレベルに合わせて訪れるものの様な気がする。
 劾に逢ってから劾の力で色んな『本物』と逢ってきた。
 今度は自分の力で『本物』との出逢いを作りたいから。


「おい、始めるぞ」
「おう!」

劾がカイトのことをあまり心良く思っていないのは薄々感じている。
でも。。

俺は


────強くなりたい。

俺はこの出会いをものにして、俺の力で上を目指したいから。

────劾の場所まで。








────空が蒼い。


そして


────高い。


でも、

────もう空が高いと嘆くのはやめたから。

────手を伸ばせば届くことに気づいたから。


大切な仲間と共にいるために。
自分の居場所を守るために。

 俺にも【自分で掴める明日がある】ってわかったから…────。
────教えてもらったから。皆に。


 何もできずに泣いていた過去を糧に、誓いと共に空に向かって手を伸ばす。

 そんな俺に、優しい海風は右頬の傷を撫でてまた空へと還っていった。


END20050922



▼よく、絵描きさんが、らくがきをSITEUPされているように、駄文のUPは続きます。。。
代わりに愚痴日記には昇降状態(使い方違うから。。)。。まぁ。。。ね?(笑)
最近、色々忙しくて、朝、仕事が始まるまでの数分、休憩室(和室)で仰向けて死んでいる時間が何より好きだったりする自分。。
の行動から、ほふって。

これもきちんと電ホビとか読み直して改稿しますて。
その際、イジャ、カイトに唇ぐらいなら奪われてもいいですか?(滅)


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