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『お母さん。。。。』
まだ、住みかをスネイルに移す前の小さい頃の記憶。(今でもオトナからみれば小さいんだろうけど)
空を見上げると雲ひとつない、とっても澄んでいるそんなある日。
お母さんと一緒に仕事している、いつも酒くさいおっさんがひとつの箱をくれた。
リードのごっつい腕に不似合いな小さな箱を空けると、その日の空みたいな色をした小鳥が一羽、アタシを見ながら首を傾げている。
『かざっぱなは、小さいのにいつも一人で留守番して偉いな。』
────別に『偉い』なんて思われなくていいから、その『かざっぱな』って呼び方をやめて欲しい。
そう思いながら、顔には出さなかったけど、すっごく嬉しかったのは覚えている。
『ブルー』と名前をつけたこの小鳥、あとで鳥の生態ROMで調べたら『セキセイインコ』と呼ばれる種類みたいで、手を出すと乗ってくる。
普段、お母さんが仕事の時は一人でお留守番だったけど、その日からはアタシが一人ぼっちになることはなくなった。
────ブルーがいたから。
ブルーは頭のいい子でアタシが言う言葉もどんどん覚えてくれた。一番最初に覚えた言葉は
────『オカアサン』
次は
──────『サーペントテール』
次は
─────────────────『かざっぱな』
。。。。
絶対教えたのリードだ。。あの酔っ払い!
アタシの夢は
【サーペントテールに正式なメンバーになる】
ことと、
この酔っ払いをいつか「ぎゃふん」と言わせること!
数日後、またそんなリードが小さい箱を一緒に連れてきた。
今度は真っ赤な雌のセキセイ・インコ。名前はもちろん…。
「風花よかったわね」
「うん!リードもただの酔っ払いじゃなかったのね」
「ようやくわかったか?」
「まだ、よくわからないけどね。ありがとう」
そう言うとリードは満足そうに笑って空箱を持って帰った。
その時は純粋に『ブルーにも家族が増えてよかったね。』と思ったけど、数日後、複雑な気持ちになったのを覚えている。
お母さんたちがいつものように仕事へ行った後、籠の入り口を開けて指を出す。いつもならすぐにブルーが乗ってくれていたのに…。
その日から、いくら指を出してもブルーはアタシの指にとまってくれなくなった。
────手乗りインコは雄と雌を一緒にすると人間から離れてしまう場合がある。
ダレカが教えてくれた。前まであんなに仲良しだったのに。────
そんなある日、レッドが突然亡くなってしまった。
悲しかったけどまたブルーと仲良くなれるかもしれないっとちょっと期待してたところもあった。
でも。。。。。
やっぱりブルーはアタシの指には止まってくれなかった。
そんなある朝、いつもの様に餌と水を替えようと籠を開けるとブルーが昔のようにアタシの指に止まってくれた。
すごく嬉しかった。けど…。
────夕方、ブルーはレッドの元に還っていった。
■□■□■□■□
────あれ?
「お母さん、なんか劾、変じゃない?」
何がおかしいがよくわからないけど、ソファーに座って何気なくタバコを吸っている劾の様子に違和感を感じる。
気になって急いで資料室で調べものをしていたお母さんに訊いてみた。
「あら、風花も気づいた?」
どうやらお母さんは劾の異変の理由を知っているみたい。
「さぁ、風花問題よ。劾のおかしい理由はなんでしょう?ヒントはいつ頃からおかしいか…」
お母さんはそう楽しそう言いながらデータの整理を始めた。
────ヒントは【いつ頃から変か…】
劾の行動を思い返してみた。────
・朝は、普通にご飯食べてた。
・ちょっとおかしいなって思い始めたのはお客さんがきてから。。。
「あ!」
「ぴんぽーん!さすが、私の娘。」
お母さんに褒められたことももちろん嬉しかったし、何より自分で気づけたことが嬉しかった。
今日は昼からイライジャにザクをくれた、カイト・マティガンが来ている!
そして、着いて早々イライジャに色々教えてることがあるって言って二人だけで格納庫へ行ったっきり!!
「風花、灰皿見てごらんなさい」
お母さんに言われて、灰皿に視線を移す。
────驚いた。
灰皿に残っている吸殻が明らかにいつもと違う。何が違うって、長さ。いつもなら2、3口吸って消すから長い吸殻が残るのに、今日のは短い!フィルター付近まで吸っている。
憶測がが確証へと変わる ────劾はカイトに対して『やきもち』を焼いている
カイトが来てからちょうど1時間ぐらい経った頃、劾が格納庫へと向かった。その後をこっそりと尾行する。
■□■□■□■□
「話は終わったか?」
めずらしい劾のイライラ声が格納庫に響く。
「ああ。大まかな部分は、な。あとは今夜ゆっくりと話そうかと思っているんだが…?」
カイトはおどけながらイライジャの肩を抱こうと伸ばした腕は空を切った。
「悪いな。先約があるんでな。今日はわざわざ悪かったな。この礼はいつか返すさ」
「いつかじゃなくて『今夜』でもいいんだけどな」
「ふっ」
「え?何?どうしたの?二人とも??」
渦中の存在のはずのイライジャは、事態が全く呑み込めてないらしく、静かに威嚇しあう二人の間で小さくなっていた。
「男っていくつになってもコドモなのよね」
「お母さん…」
いつの間にかアタシの後ろにいたお母さんはふふと笑いながら戻って行った。
■□■□■□■□
『お母さん。アタシ、ブルーに嫌われちゃった』
ブルーがアタシから離れた日、お母さんの膝の上で泣いていた。
あと、レッドいなくなってもブルーがアタシの指に乗ってくれなかった時も泣いた記憶がある。
それでお母さんに言われたの。
『きっとレッドは風花と一緒で寂しがり屋さんだったんだね。』
『アタシと一緒?』『旦那さんが他の女の人と一緒にいるのが嫌だったんだのよ。
風花もよく、お母さんの友達に叫んでたじゃない?
「アタシのお母さんだ!」
って』 お母さんが懐かしそうにくすっと笑う。
確かに、人気者のお母さんは自慢だったけど、いつかお母さんがアタシのこと見てくれなくなるんじゃないかと不安だった。
お母さんの周りに集まる人たちは皆オトナで、それに比べてアタシはわがままで、いじっぱりで、第一、…傭兵に「子供は足でまとい」なだけだから。。。
────だから、いつも不安だった。
『ブルーは風花に似て優しいコだったから、レッドの不安を取り除いてあげようと、ああゆう行動をしてたんじゃないかな?』
『でも。レッドがいなくなってからもずっとだったよ。なんで?』
────ブルーが守るべき対象はいないのに。。。
『それはね』
お母さんの声がさっきよりもっと優しく振る
『ブルーがレッドの事を心底大切に思っていたからよ』
その時は正直、その理由はよくわからなかった。
わかったことは────
『でもブルーは最後に風花の指に止まってくれたんでしょ?』
『うん。肩にも止まってくれて前にみたいに顔もつっついてくれた。』
『鳥は自分の死期がわかるのよ。
だから最後にそれはきっと風花への感謝の気持ち。
可愛がってくれてありがとうって。
レッドに合わせてくれてありがとうって。
風花にとってはとてもつらい事だったろうけど、風花のおかげで二匹はとても幸せだったのよ。』
────ありがとうって。
■□■□■□■□
カイトが帰った後に、ふと覗いた格納庫。二人でメンテしていると思ってたから…。
…とゆーか見ちゃいけないものを見た気がする。いつも以上になんてゆうか。。らぶらぶしてて、アタシはやっぱりまだ子供なんだなって、ちょっと実感してしまった。途中でまずいと思ってその場を離れたけど。
『障害があった方が恋愛は燃える』ってきくけど本当みたいね。
なんにしても
【レンアイ】ってむずかしいのね。
ふと視線を移した窓の外には二匹の小鳥が仲良く羽を寄せ合せて歌ってた。
小鳥の色はそれぞれ青と緑で、その姿がMSメンテをしている二人の姿と良く似ていて、思わず吹き出してしまった。
そしてそんな二匹を見ていてふと思ったことがある。
────イライジャにだっているんだし。いつかアタシにも劾みたいな素敵な彼氏できるのかな☆
なーんてね。
────風花・アジャー8才。今日も元気です。
END20050917
▼鳥好きの同期から、 「手のりインコの雄雌を一緒にしたら手のりでなくなった」 と聞いてなんとなく。。勢いで。。 今書き途中の風花とロレッタの話を付けりゃーもうちょっと話繋がるんだけどね。。。。 ごめんなさいm(_ _;)m つーか、風花たちがカイトのことをなんて呼んでいるのか不明。。ってか。色々不明。。。 ってか、『やきもち』って。前もつけてるんだけどさ。。。 やっぱりカップルにはつきものです!(力説) 普段一緒にいると気づかないけど、第三者が入ることによって、生じるもので、乗り越えれば更なる「愛」←病気 なんにしても m(::)m 書き直します☆(ならあげるなよ。。) 書き逃げ! PR |
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