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吐き出す息が白い。
それもそのはず。室内の温度の表示板は『1℃』と点灯中。
どうやら空調の調子が良くないらしい。
「どう、直りそう?」
僕は脚立を抑える係り。
脚立の上で空調の回路と格闘するのはアスランの係り。
アスランいわく『適材適所』らしいけど、なんか納得いかない。
確かに僕よりアスランの方がハードに強いけどさ。

「ほら、故障の原因」
「あ…ヒューズが駄目になっちゃったんだね」
僕の手のひらには焼けきれて真っ黒になったヒューズが一個。
「そう。動力部のね。こんな時間だし、部品を頼んでも朝にしか届かないかな」
壁の時計に目をやると薄暗く『22:20』と表示されていた。
「朝まで我慢、だな」
脚立から降りたアスランは軍手を外しベットに腰掛けた。
「それにしても、やっぱり寒いね。」
我慢できないわけでもないがやっぱりちょっと気になる。
「そんなことしなくても平気だよ」
「?」
脚立を片付けるついでに毛布に手をかけた僕をアスランの声が止める。
「キラ」
そう言って、ベットの上で腕を広げ僕を誘う。
「ほら、おいで」
言われるままに僕の定位置へ納まった。
「あったかい」
正面からアスランに抱きしめられ、そのまま優しく唇が重なる。
「ほら、毛布なんかなくても暖かいだろ?」
「うん」
唇を離したアスランが幸せそうに笑っている。
きっと僕も同じように笑っている。

たまにはこんなのもいいのかもしれない。
焼け切れたヒューズに感謝しながらアスランの腕の中で眼を閉じた。

こんな寒い夜は二人でいよう。
ほら、繋いだ手からぬくもりと一緒に想いも伝わるから…。


END20031205



▼寒かった時にふと浮かんだばかっぷる。


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