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 任務も勤務もない非番の日。外の気候設定が爽やかだったんで、気分転換も兼ねてラスティと近くの公園へ散歩へ出掛けた。普段閉ざされた軍の中にいるせいか外の景色はやけに眩しく思えた。
「お姉さん、ダブルで2つね」
 噴水の前でアイスの移動ワゴンを見つけたラスティは子供のように駆けより、戻ってきた手には二つのアイスがあった。それもダブルで。
「はい。ミゲルのこっちね。両方ともバニラにしちゃった」
「ありがとう」
 子供の様な無邪気な顔で手渡されたアイスを俺も笑顔で受け取る。
「あ、たれてる」
「え?ホントだ」
 ラスティの目線をおって手元を見ると、確かにコーンには溶けたアイスの筋ができていた。
「んっ」
 ラスティが隣から舌先を這わせ垂れかけた筋を舐め取る。
「あぶなかったね。けっこう溶けたアイスって手につくとべたべたして気持ち悪いんだよね」
 そう言って何事もなかったように自分のアイスを食べ始める。目の前で俺が今の行動でどんな気分になったかも知らないで。
 ラスティが舐め取った場所を舐めたみた。なんだかさっきより味が甘く、滑らかになった気がする。
「…ラスティ」
「ん?なに?」
 振り向いた口元に下を這わせた。
「こっちも垂れてきてたから」
 アイスと同じ味のする口元を舐め取り、にこっと笑いかけると、舐め取られたラスティの顔は耳まで真っ赤になった。
「ばかばかばか!なんでこんなところでこんなことするの!」
「え?おれなんかしたけ?」
しらを切ってアイスを食べ始めると、ラスティは両頬をぶすーと膨らましてこっちを睨み付けてる。ちょっとその姿がハムスターみたいでかわいいって思ったけど、口にしたらまた怒る姿が容易に想像できたので止めた。
「…ミゲル、今俺のこと 馬鹿にした想像したでしょ?」
「あれ?ばれた?」
 口は閉じていたがどうやら顔には出ていたらしい。
「もぉぉばかばか!」
「ごめんごめん」
 二人で公園中を走り回った。こんなに走ったのはアカデミー入隊前ぐらいじゃないかと思うぐらい。普段の訓練以上の運動量に先にバテた俺が近くの芝生に寝転ぶと後からラスティも隣に寝転んだ。
 二人並んで空を見上げる。
 人工的に作られた光の下、人工的に育つ芝。そして人工的に産まれた俺たち。
全てが人工的だか、この気持ちは人工的ではなく自然。だから唇も身体も自然に重なる。想いも。言葉を交わさなくても繋がった手から伝わる幸せ。いつもでも続いて欲しいと願ったそんなある日。

■□■□■□■


『…ラスティが殺られた』
 通信機から聴こえる苦痛に満ちたアスランの声が別次元に音に聞こえてくる。信じられない。信じたくない。あのラスティがナチュラルなんかに殺られたなんて…!
「お前はその機体を早くクルーゼ隊長にお届けしろ」
『だが…!』
「アスラン。ラスティの仇は俺がとってやるって。な?」
『ミゲル…』
 通信カメラに向かって微笑むとそのまま回線を切った。もうこれ以上の犠牲は出さない!ラスティの為にも!
 目をつぶれば浮かぶあいつの笑顔、体温。今だって隣にいるかのような感覚さえする。
 もう一度目をつむり優しい気持ちを胸に抱いてレバーを引く。
 あの幸せな日が日常になる、そんな日のために。

「作戦変更!ミゲル・アイマン、これより奪取に失敗した機体の破壊に移る!」


END20041008




▼昨日発売されたゲーム、アスラン編を早々にクリアーされた洵さんのお話聞いて脳内でぐはぁぁぁって沸いたミゲラスです☆
 ほんと勢いだけで書いちゃいましたm(-▽-:)m

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