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 久しぶりの長期休暇。せっかくかわいい息子が帰って来てるのに、家族は揃ってお出かけ中。そんな可哀想なラスティのためにもこの休みは俺がラスティの家に押しかけることとなった。前もってラスティの家族に旅行券を贈っていた事はもちろん内緒で。
 「もうこんな季節なんだ」
 季節は集中管理室に任され気温の変動はあまり感じないか、久しぶりに目にしたカレンダーでは暦的には秋。昔でいうとこの行楽シーズン。
 本日のラスティのご予定は同期赤服5人でどこかへおでかけらしく、朝から楽しそうに台所で準備している。朝起きて隣が冷たくて、ちょっと寂しい思いをした俺の気持ちにはまったくおかまなしで。
「でーきた」
 一人寂しく朝食用に豆を挽いていると、台所から一仕事終えた声が上がった。
「ん?どれどれ?」
 挽いた豆を手にして台所へ行くと、テーブルの上には形がそれぞれ違うおにぎりが5種類。
「あ、ミゲル。見てみて」
「なんで皆形が違うの?」
 テーブル上のおにぎりは丸かったり、やたら正三角形だったり、不思議に思って聞いた答えは意外なものだった。
「ほら、オレタチ個性強いじゃん?で。皆の個性に合わせて作ってみました!」
「この小さめの丸いのは?」
「ニコル」
「この無駄に大きいのは?」
「ディアッカ」
「このめちゃめちゃ辺の長さが等しいのは?」
「イザーク」
「なんかこのにぎりが緩そうなのは?」
「アスラン」
 得意げさらに胸を張るラスティ。かわいいなーと思う反面、それぞれに個性のあるおにぎりに俺の分がないのがやけに腹立たしかった。
「…!」
「ちょっとミゲル、なにしてるの!?」
 気付いたらテーブルの上のおにぎりを全て口に放り込んでいた。
「ミゲル!ちょっと!」
「はって、はんがぐやふぃい」
「…なに言ってるかわからない!」
はいっと渡された水で口の中の米を流し込む。
「だって…なんか悔しい」
自分でも子供じみていると思ったが、そのときの素直な気持ちを口にした。
その答えを聞いて怒り顔だったラスティの顔が呆れ顔と変わって、椅子の上で拗ねる俺の頭を一つ『ポン』と叩いた。
「…なにヤキモチ妬いてるの」
 ヤキモチ…。驚いた俺が?ヤキモチ。。
ヤキモチってもっとこう、どろどろして醜いものだと思っていた。でも本当に幸せなヤキモチってこんなにも優しいものなんだ。
「ラスティ」
「何?もう食べちゃだめだよ」
警戒されながらも、一生懸命おにぎりを握り直しているラスティに抱きつく。
「おにぎりも食べないし、俺も作るの手伝うから、代わりに…」
「駄目!」
「まだ何も言ってないんだけど」
「…顔、いやらしいよ」
「あら。じゃあ、いただきます」
 にっこり微笑んでさらに強く抱きしめると、オレンジの髪が目の前で逃げようとわたわたと動く。
他の奴の食べられる前に、俺は腕の中のヤキモチを包んで食べた。
さっき食べたどのおにぎりよりもおいしく、これがおれのおにぎりだったんだと確信した。


END20041013



▼…なんかえらく中途半端。でも今UPしないとお蔵入り決定かな…みたいな。。できたら明日にはちゃんとした方UPしたいな。(途中であげるな。。)
うちの中でラスティがどんどん、よなよなしてくしミゲルはへたるし(笑) 某ユニット化してる(笑)

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