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一人、艦内の談話室から外を眺める。
見えるものは暗い宇宙。 少し前まで俺はココでナチュラルに加担するキラと戦っていた。 自分に疑問を抱きながら…。 そして今はキラと共に戦うためにここにいる。 父上を止める為に…。 「アスラン」 ふいに呼ばれて我に返り、振り向いた先にはハロを連れたラクスが立っていた。 「何を見ていたんですか?」 「外を…見てました。」 微笑みながらラクスも一緒に暗闇の宇宙を眺めた。 「アスランは今、『幸せ』ですか?」 「えっ!?」 「こんな戦火の中、おかしな質問かもしれませんが。」 突然の問いかけに頭を過ぎる二文字。 「…幸せ、なのですね。」 ラクスが幸せそうに笑いながら続ける。 「最近のアスラン幸せそうに笑いますよ。軍にいた時とは大違い。特に誰かさんを呼ぶ時など…」 「そ、そんな、キラはっ…!」 「くす。私は一言も『キラ』とは言ってませんよ」 「あっ…」 「うわさをすれば…ですわ」 くすくすと楽しそうに笑うラクスの視線の先から歩いてくる人影。 「今の顔、写真にでも撮って差上げたいぐらいですわ。それでは、私はこれで。」 そう言ってラクスは談話室をあとにした。 そして目の前には、先ほどのラクスの問いかけに頭に浮かんだ2文字。 「キラ」 俺はキラの名前を呼びながら腕を広げた。 この腕に飛び込んでくるキラを抱きしめるために大きく。 「アスラン」 腕の中で俺の名前を呼ぶキラに優しく口付けて、ラクスの言葉を思い出す。 『幸せ、なのですね』 ああ。幸せだよ。 「どうかしたの?」 「いや、なんでもないよ。キラ」 腕の中のキラにもう一度口付け、呼ぶだけで心まで暖かくなれる二文字の『幸せ』を抱きしめた。 END20031206 ▼ほのぼの甘々で幸せに浸るキラを書きたかったの。。。 PR |
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